無職の夢日記

夢日記

人を殺して魔女っ子に匿ってもらう夢【夢日記】

 

☆夢の結末☆

・罪を償わないまま魔女っ子と仲良くなっちゃった。

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☆夢の内容☆

 私が人を殺す場面から夢は始まる。銃殺だった。リボルバー式の銃だったと思うが、ともかく私は幼い少年の頭を撃ったのだ。少年は実にゆっくりと倒れていった。弾丸が少年の頭に侵入し、頭の中身をぐちゃぐちゃにしていく様を、私はじっと眺めていた。

 死んでいく少年の顔に見覚えがあった。目を見開き、驚愕した表情で絶命していく少年は幼い頃の私自身であった。

 

「まるでアリスのように、轍のなかに広がる不思議の国へ入っていこうとしているようにも見えたけれど、その後頭部はぱっくりの紅く花ひらいて、頭蓋の中身を空に曝している。」

伊藤計劃 「虐殺器官」より引用)

 上の一文のようなショッキングな情景を今でも覚えている。私に撃たれた少年は地面にうつ伏せに倒れ、ピクリとも動かなかった。死んでいるのだから動かないのは当たり前だった。

 

 私は逃げ出した。幼い少年を殺したことに罪悪感を覚えたのではない。警察に捕まることを恐れていたのだ。社会的地位を失うことを恐れていたのだ。社会的地位なんて現実世界ではとうの昔に失っているのに、なにを恐れることがあるのだろうと今になって思う。

 

 私は銃を持ったままひたすら歩き続けた。ふと空を見上げると、太陽は沈みかけていて、あたりは夕暮れのオレンジに染まっていた。

 歩き疲れた私の肩に鳥の糞が落ちてきた。糞を手で払っても、白い汚れが肩にこびりついて取れない。私はどうしてもその汚れが気になってしまい、逃亡中にも関わらず家に帰ることにした。一刻も早く着替えたい。その衝動に駆られていた。

 

 程なくして私は自宅のマンションにたどり着いた。夢の中のマンションは、現実世界のものと全く同じ構造だった。見覚えのあるロビーを抜け、見覚えのあるエレベーターに乗り、自室のある階に向かった。

 自室につながる通路に出ると、警察官が私を待ち受けていた。「カイジ」の遠藤みたいな顔の警官だったのを覚えている。私は警官に気づかれる前に回れ右をして、エレベーターに飛び乗った。心臓がバクバクしている。夢の中の私は、なんとしても捕まりたくないようだった。エレベーターは私が操作する前に勝手に最上階へと向かっていた。

 

 マンションの最上階は緑に覆われていた。深い緑色の大きな葉っぱが太陽の光を遮り、各部屋の玄関扉は木々の根っこで固く閉ざされていた。もはや通路はジャングルであった。

 背後でエレベーターの開く音がした。警官がやってきたのだ。エレベーターから降りてきた警官がこちらを向く。私はすぐ側の、太い木の根で閉ざされた玄関を必死に叩いた。助けてくれ、匿ってくれと大声で叫んだ。警官が迫ってくる。警官が私の肩を掴みかけたその瞬間、扉が開いた。私は部屋の中に転がり込んだ。玄関はすぐに閉ざされ、警官が中に入ってることはなかった。

 

 転んでいた私が顔を上げると、どこまでも長く続く廊下が眼前に続いていた。廊下の終着点は全く見えなかった。

 すぐ側には女の子が立っていた。真っ黒なローブととんがり帽子を身につけた、まさに魔女といった風貌の幼い少女であった。彼女は私の手を取った。細くて白い指が印象的だった。少女に連れられ、私は果てなく続く廊下歩き始めた。歩いても歩いても廊下の景色はまったく変わらない。真っ白な壁とピカピカに磨かれた大理石の床がどこまでも続くだけだった。

 

 やがて私は歩き疲れ、床にへたり込んでしまった。魔女の少女はしゃがんで私の顔をじっと見つめた。少女の瞳は綺麗な灰色だったのを覚えている。少女は私の額に手をやり、「熱があるわ」と言った。少女は床に布団を敷き、私をそこに寝かせた。

 

 横になった私が廊下の先を見やると、そこは大広間になっており、たくさんの魔女の少女たちがいた。彼女らはテレビを見たり、お菓子を食べたり、とても楽しそうだった。ふと、少女のひとりが私の視線に気づいた。その少女は笑顔で私に手を振った。私は幸せな心地になった。

 私は、幼い自分を殺したことなんて忘れてしまっていた。

 

 

終わり

2019/6/17に見た夢