仕事の面接を受けて働きたくないと思う夢
☆夢の結末☆
働きたくない気持ちが1000倍に膨らんだ
☆夢の内容☆
私は都内の高層ビルの前に立っていた。大手会社の超高層ビルだ。入り口のガラスはピカピカに磨き上げられており、清潔な労働環境が整えられていることが伺えた。これから私は無職生活から抜け出し、真人間となるべく、会社の面接を受けるのだ。ピンクのスーツと黄金に煌めくネクタイを身につけていた気がする。そんな格好で面接に受かるわけがないと今になって思う。
ビルの中に入ると、受付が目の前に現れた。受付には人間の代わりにペッパー君(ソフトバンク社の人型ロボット)がいた。感染症対策のため、対人業務は全てペッパー君が行なっているとのことだった。
ペッパー君は私に書類を差し出した。私のプロフィールを書く用紙だった。面接を受けるにあたって必要らしい。私は名前、年齢、職歴などを記入していった。
ペッパー君との会話は弾んだ。私の前職についての話や、この会社の業務内容について話した。ペッパー君曰く、私が入ることになる部署の業務は一日中ゲームをすることらしい。「えっ、それって凄く楽じゃないですか」と聞くと、ペッパー君はニヤリと笑い「そうだよ。凄く楽だよ」と答えた。私はなんとしても面接に受かってやると決心した。
面接はとてつもなく大きな部屋で行われた。学校の体育館ほどある空間の真ん中に机が置かれ、私と面接官は向き合った。面接官は白髪のお爺さんだったが、目つきは鋭く、その場の空気をピリピリとした緊張感のあるものに変える雰囲気を持っていた。
「4月に仕事を辞めて以来、今まで何をしていたんだ」
面接官はまず、私の無職期間について聞いた。責めるような、強い語調だった。私は正直に答えた。
「鬱で前職を辞めて以来働く気にならず、だらだらと過ごしていました」
私は面接官の反応を伺った。しかし、白髪頭のジジイは私の言葉に対して全くのノーコメントであった。自分から質問してきた癖になんて奴だ!と私はイライラしていた。
「前職で自分が成長できた業務はなにか」
私の内心を知ってか知らずか、ともかく面接官は質問を続けた。実際の面接でもありそうな質問だなあと思った。
「子供たち相手にセミナーをする業務が、自分の成長を1番実感できました。なぜなら…」
私は自信満々に答えた。夢の中の私は、100点満点の回答をしたという自信を持っていた。ドヤ顔もしていたと思う。面接官は私を睨め付けたまましばし黙ったあと、口を開いた。
「…でやったのか?」
面接官の声は小さく、言葉の最初の方が聞き取れなかった。申し訳ございません、もう一度よろしいでしょうか。私は謝りながら聞き返した。
「だから!…でやったのか?」
私は頭を抱えた。どうしても言葉の一部が聞こえないのだ。二度聞き返すのはよろしくないと思ったが、仕方なく、私は「セミナーをどこでやったのか?という質問でよろしいでしょうか」と確認した。
「違うよ!なにを言ってるんだ君は!」
面接官は私の言葉に怒り、机を思い切り叩きつけた。面接官の声が今度ははっきりと聞こえた。そっちの声が小さいから何度も聞き返すはめになったんですよ、とは言えずに私は小さくすみませんと謝罪した。
面接官は机に足上げ、腕を組み、タバコを吸い始めた。どうやらもう面接を続ける気はないようであった。
やっぱり労働はしたくないなあと思った。
終わり
2020年9月7日に見た夢