無職の夢日記

夢日記

魔法のホウキに乗ってテロを阻止する夢

☆夢の結末☆

・身を削って他人を助けても賞賛されるとは限らない。

・他人からの評価よりも大切なことはある。

 

☆夢の内容☆

 夜のラスベガスでテロが起こった。スクールバスがテロリストにジャックされたのだ。ネオン煌めく夜の街を、スクールバスが暴走する。一般車両の合間を縫ってバスとパトカーが猛スピードでカーチェイスする様を、私はテレビの画面越しに見ていた。

 

 バスの乗客を助けなければならない。夢の中の私は正義感に燃えた。私は側にいた清掃員のおじさんから箒を借りると、それに跨り、宙に浮いた。ハリーポッターが箒に乗る映画のワンシーンが思い出される。箒はゆっくりと前に進み、道路に侵入すると、どんどんと加速していった。やがて、風が頬を叩くほどのスピードなったとき、このままでは車にぶつかることに気づいた。

 車両が前方から迫りくる。私は慌てて箒を操作した。体をめいいっぱい横に倒し、間一髪車とすれ違う。背後から「危ないじゃないか!」と声がする。このままでは他の車と衝突するのも時間の問題だ。私は上昇するべく箒を上に引っ張ってみたが、箒はうんともすんとも言わず、ただ真っ直ぐに進んでいくだけであった。

 私は一か八かの賭けにでた。懐からダイナマイトを取り出し、爆風で上昇しようとしたのだ。ダイナマイトに火をつける。「爆発するぞ」と私が叫ぶと、辺りの車はさっと私から離れていき、通行人は物陰に隠れていった。これでは誰がテロリストかわからない。ともかくダイナマイトは爆発した。爆風を受け、箒が上方向に飛んでいく。箒はぐんぐんと上昇していき、さっきまで飛んでいた道路がみるみる小さくなっていった。

 雲の高さまでいったところで、はるか前方に爆走するバスを発見することが出来た。バスは高速道路を走っていた。私が力を込めると、箒の先が爆発し、猛スピードでバスに向かっていった。

 

 暴走するバスの横に着くと、窓から中の様子が見えた。小さな子供たちが窓を叩いている。その表情は恐怖に怯えており、私は一刻も早く助けなければならないという思いに駆られた。

 私は子供たちに窓から離れるようジェスチャーをした。そして一旦バスから距離を取り、反動をつけ、一気に窓へ体当たりした。ガラスに激突した瞬間、右肩に大きな衝撃を受けたのを覚えている。恐らく現実でも体が動き、壁にでも衝突したのだろう。

 バスの中に転がり込むと、すぐにテロリストが私に襲いかかってきた。ドクロのマスクで顔をすっぽりと隠した、大柄な男だった。テロリストは身長ほどの大きさの刀を持っており、躊躇なくそれを私に振り下ろしてきた。私はとっさに腕を前に出し、刀を受けた。腕に痛みが走った。腕がもげることも、流血することもなかったが、確かに刀が腕を叩く感覚が私を襲った。テロリストが再度攻撃を仕掛けてくる。今度は突き攻撃だ。私の心臓に向かって真っ直ぐに刀が迫ってくる。胸に激痛が走った。鈍痛だった。しかし心臓を刀で貫かれても私は死ななかった。胸に刀が突き刺さったまま、私はテロリストの腕を掴んだ。テロリストが動けなくなる。私はバスの乗客にテロリストを押さえつけてくれと頼んだ。子供たちが、わっとテロリストに襲いかかる。子供たちのパンチやキックはポカスカという擬音が出ていて、とても痛そうな攻撃には見えなかったが、テロリストは頭を抱えてうずくまった。そして、間もなく「もう降参だ。許してくれ!」と降伏した。

 

 バスが高速道路の路肩に停車する。バスから降り、上を見上げると青空が広がっていた。テロリストは警察に連行されていった。埼玉県警のパトカーに押し込まれるテロリストの姿が印象的だった。

 マスコミが集まってきた。マスコミはまったく私に関心を示さず、救出された子供たちにカメラとマイクを向けていた。「バスジャックされた今のお気持ちは?」というキャスターの質問に、子供は「警察の初期動作が遅いよね」と答えていた。私に関心を持つものは誰一人としていないようだった。

 

 私は箒に跨ってその場を去った。あっという間に上昇して、バスや子供たちが米粒ほどの大きさになっていく。箒の上で風を感じていると、子供たちを助け出したことも、テロリストと戦ったことも、もはやどうでもよくなった。澄んだ青空を自由に飛べることが、ただただ嬉しかった。

 

 

終わり